加久藤トンネル換気所

Project No.03

加久藤トンネル換気所

KAKUTO TUNNEL VENTILATION FACILITY

主要用途
機械室
所在地
人吉市大畑町,宮崎県えびの市東川北
構造
鉄筋コンクリート造,鉄骨造
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熊本県と宮崎県の県境、国道221号のループ橋を越えると加久藤トンネルがある。この建物は、トンネル内の換気のためのポンプ、空気取り入れ口を収めた施設である。単に機能的な道路維持管理のための施設も環境を形成する重要な要素となることから、施設が持つ機能を凝縮して、建物全体が装置として機能するとともに、周囲との調和を図るよう設計されている。

加久藤トンネル換気所
  • 加久藤トンネル換気所01
  • 加久藤トンネル換気所02
  • 加久藤トンネル換気所03
  • 加久藤トンネル換気所04
  • 加久藤トンネル換気所05
  • 建築概要

    この換気所の最大の特徴は、空気の流れのシステムにある。トンネルの換気のために必要な設備は、トンネルの側から順に、ダクト、モーター、ファン及びフィルターである。通常はこれらが直線的に接続され、分厚いコンクリートの箱に収められている。この建築の場合、フィルターを省略し、そのかわりエキスパンドメタルの外壁全体がフィルターとなっている。これにより、換気設備のダイナミックな構造が外から見えるようになったばかりでなく、フィルター面積が数十倍に上がったため、単位面積あたりの流量が激減し、フィルターの清掃・交換に関する維持管理は不要となった。また、外壁のコンクリートが軽量・安価なエキスパンドメタルに置き換えられているため、建設コストはきわめて低いものとなっている。

  • 建築家プロフィール

    小山明(こやまあきら)

    1951年
    大阪生まれ
    1977年
    日本大学理工学部修士課程修了
    1978〜80年
    ドルトムント大学,ベルリン工科大学留学 日本大学工学博士
    1984年
    DER PLAN設立
    1988年
    IBA展オーガナイザー
    1997年
    神戸芸術工科大学教授
    主な作品
    • 著書「未完の帝国-ナチスドイツの建築と都市-」(共著)
    • 著書「都市居住宣言」(監修)
    • 個展「人間に考えさせる機械」(1993年)
    • 作品「岡本の家」(1996年)
  • 関連情報

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